120年前に馬具製造業として創立されたGEWOですが、1956年からは有数な卓球台メーカーとして業界をリードしてきました。1991年にはフランク・コシュニックとヴォルフガング・ゾーンズが当社を引き継ぎ、こと卓球に関する製品ならすべて、第一級の品質で提供するドイツ国内で活躍する卓球ブランドとしてGEWOを成長させました。

2015年にフロリアン・ヴェーナーが加わり、GEWOを世界規模でリードするブランドにしていく挑戦が新たに始まりました。チームと共に彼は国際的な流通機構の指揮を執り、同時に世界を結ぶ代理店のネットワークを作り上げました。

„2015年以来国際的な位置づけと、若い才能ある選手を育てていくことがわが社の課題の中心として位置づけられています。それが私たちをしっかり結んでくれていると思います。“

FLORIAN WEHNER

でも、彼の業務はそれだけではありません。彼はアイディアから市場導入までどのプロセスでも製品開発にも携わっているほか、さらには選手のサポート、つまりトレーナーやクラブなどとの協力関係、物質提供、トレーニングキャンプの組織、スポンサーの責任という分野まで、深く関わっています。

というわけで、どうしても彼に直接インタビューしないではいられません。

彼の話を聞きましょう:

GEWO

フロリアン、2015年以来GEWOは大きく変わり、同時にぐっと成長してきました。何があったのですか?

2015年の始めは、CONTRA(GEWOブランドの所有者)で根本的な改革がありました。フランク・コシュニックが定年退職し、ヴォルフガング・ゾーンズが長年パートナーだったコシュニックが持っていた株を譲り受けることになりました。僕自身は2015年にGEWOに加わりました。

この年は新しい時代へ突入するスタートラインだったと言えます。GEWOというブランドの、国際的な発展の時代です。

「新しい時代」といえば門出といった響きがあり、わくわくしますね。それがまたLMCをさらに成長させる力の一つだっとも思います。あなたたちにとって「門出」とはどんな感じですか?

だからこそGEWOとLMCは完璧なパートナーだと思うんです。2015年以来国際的な位置づけと、若い才能ある選手を育てていくことがわが社の課題の中心として位置づけられています。それが私たちをしっかり結んでくれていると思います。

ちょっと前に中国にGEWO製品の販売を手掛けるGEWO出資の会社を創立したんですが、このように私たちはその他の国でも、まだまだ販売組織を作り上げている段階です。それでも過去三年間のわが社の発展ぶりに満足していますし、これからがとても楽しみです。今は新しく進出した国々でのパートナーとの協力体制の確立や、市場進出に専念しているところです。そしてLMCにいるわが社の選手のこれからのますますの成長と成功をとても楽しみにしています。

ですから、わが社の卓球ブランドの販売、代理店になることに関心のある方は、ぜひ僕に連絡してくださいwehner@gewo-tt.de。GEWOに関する詳しい情報はまた、わが社のホームページwww.gewo-tt.comをご覧ください。

 

才能と製品

GEWOに所属しているLMCの選手、ハンガリー、ロシア、ポーランド出身のベンス、レフ、サムエルのことを「LMCでのプレミアパートナーだ」と呼んでいますね。どうして彼らを選んだか、教えてください。

レフには20167月にザグレブで行われたヨーロッパジュニア卓球選手権で初めて会いました。彼はここで金メダルを2つも獲得したんです。それですぐにその場で僕は、うちのトレーナー、ディマ・マズノフとレフのトレーナー、アレクサンダー・シャーマンと話をしたんです。それから協力関係が実現できるまでは僅かしかかかりませんでした。2016年の年末から彼はGEWOの契約選手となり、わが社の製品にすっかりなじんでくれています。

ベンスのことは仲間うちで推薦してくれる人がいたんです。契約選手となった初めの2016年の夏には彼の世界ランキングは250位だったのですが、今では100位以内に入っています。これは大きな潜在能力が彼にはあり、そして彼がどんなに努力家でまじめに練習しているかという証拠です。ベンスは本当に素晴らしく、わが社のブランドにぴったりだと思っています。

サムエルに関しても、これはラッキーでした。彼は卓球が大好きでたまらないというポーランドの家族の出身で、わが社では彼らを今では完全にサポートし、卓球に関する備品を提供しています。契約選手になってからすぐに彼はヨーロッパ卓球連合(ETTU)のトップテンに輝き、ヨーロッパ中の最高若手選手の一人になりました。1月からは彼はオクセンハウゼンに長期滞在することになっています。ここ数か月以来私たちは彼に、それからレフにもですが、個人特訓をブレーメンや韓国のソウルなどを提供しています。

とにかくこの三人には2024年でのパリ・オリンピックに向けた計画表が具体的になりつつあります。ベンスはもうすでに世界ランキング100位以内なので、うまくいけば東京オリンピックの出場資格も取れるかもしれない。基本的には私たちは一度契約した選手たちはできるだけ長期にサポートしていきたいと思っています。

卓球界ですでに名を知られた選手でなく、若い選手に投資するのはどうしてですか?

GEWOに入った時、もちろん当時すでに名の上がっていた選手たちとも話をしました。世界ランキングで20位以内に入るような選手です。でも、わが社の製品を別に使いもせず、それを使って試合もしてくれない選手にただ毎月給料を払う、というような形の契約は僕たちとしては嫌だったんです。

それよりはずっと若い選手の成長と練習に投資したい。つまり、彼らが才能を伸ばしていける訓練をサポートし、長期的に彼らとの緊密な関係を育てていきたいのです。そういうことがあってこそ、卓球界でも彼らはまさにGEWOの選手だと認識してもらえるでしょう。#teamGEWOはもうかなりいい線いっていると思っています。もちろんでも、まだまだ信じられないくらいたくさんやることがあります。

ベンスにはGEWOはスポンサーとしてでなく、製品開発にも加わってもらっていますね。彼はすでに自分の名前の入ったラケットを作っています。この経緯を教えてください。

ベンスはとっても信頼のおけるパートナーです。彼は初めからわが社の製品に対して誠実でオープンなフィードバックをくれていました。ラケットでもそうだったのです。

それで、わが社では彼の素材に対する希望を組み入れ、ラケット素材を製造しているパートナーと話をし、仮のサンプルを作ってみたのです。それからはどの製品開発でもそうですが、試験に試験を重ねました。まずは練習で使ってみて、それから試合でも使ってみました。ベンスは感激してくれました(彼の世界ランキングの大幅な跳躍でも明らかなとおり)。最後にグリップを改善してから、彼の故郷にちなんだデザインを考えたんです。製品が完成するまで、約6か月かかったでしょうか。それから販売が開始しましたが、大成功です。

GEWOの製品開発では、イノベーションというのはどのような役割を果たしていますか? それについてどう考えていますか?

製品開発で常に考慮しなければならないのは国際的なトレンドです。例えばそれでGEWOは、継ぎ目のあるのと継ぎ目のないのと両方のボールを提供している数少ないブランドです。

スポーツウェア、衣類関係は毎年終わりに完成し、その次の年の初めのプロツアーで選手が着ることになります。デザインを考え始めるのは大体その前の年の4月か5月ですね。つまり計画して製造を開始してから実際に製品がスポーツ店に出回るまで、約1年かかるということです。

ラバーはさまざまなサンプル、ラバー名のついた鋳型の製造から始まってITTFサンプルを作るまで、数々の開発工程を経て作られます。

現在はうちの選手とテスターは2019年に市場に出される予定のハードラバーNexxus Pro Hardを開発中です。

„あらゆるレベルで信頼できるパートナーとしてGEWOのことを認識してもらうことが大切だと思っています。“

FLORIAN WEHNER

国際

GEWOはナイジェリア代表チームのスポンサーですが、これはGEWOの国際戦略の一部と考えていいでしょうか。これについて詳しく話してください。

わが社はナイジェリア代表チームのパートナーであるだけでなく、セルビア代表チームもわが社の長期のパートナーです。あらゆるレベルで信頼できるパートナーとしてGEWOのことを認識してもらうことが大切だと思っています。若手の選手を育てサポートするパートナー、トレーナー(例えば韓国の劉南奎(ユ・ナムギ)やLMCトレーナーのディマ・マズノフなど)のパートナー、それからあらゆるレベルの卓球クラブや、そして国代表のチームのパートナーとしてです。

わが社ではナイジェリアの女子と男子チームに製品を提供して使ってもらっています。ジュニアチームやオラジデ・オモタヨなどの世界的なトップ選手たちにもGEWOの製品は受けています。卓球台や枠もナイジェリアでは使われていて、この夏にはITTFチャレンジシリーズでは初めて、GEWOの製品で試合が行われました。ここのトーナメントはまったくアフリカならではの魅力あふれるものでした。

ナイジェリアのトップをいく選手二人が年に一度、GEWOがスポンサーとなっているトレーニングキャンプに参加しますね。LMCもここでは一役買うことになるのでしょうか?

そうだといいですね:-)

この件についてはぜひ一度クリスティヤン・ペイノビッチと話をしてみたいと思いますが、LMCは競争率が高く、皆が行きたいと思っていることもよくわかっています。でも例えば韓国で10歳グループでのナンバーワンのHyuk Kwanや12歳グループでのナンバーワンHoyun Lee が11月に10日間オクセンハウゼンで練習できることになって、とても喜んでいます。彼らは二人とも長期的にGEWOと契約を結んでいます。

最後の質問

自分の仕事で何が一番気に入っていますか? これはいやだな、というものもありますか?😉

「僕たちの選手」がトーナメントでいい試合をしてくれた時は、もちろん最高ですね。今年のヨーロッパジュニア卓球選手権の男子ダブルスでレフが優勝した時にも僕はそばにいました。年中彼らと時間を共にしていますから、もちろん彼らが成功してくれるのが一番うれしいです。

もちろんプレッシャーはかけたくないですけどね。🙂オーストラリアのジュニア世界選手権にも行くことになっています。レヴとサムエルが12月までにLMCで準備を整え、この世界選手権でいい試合をしてくれることを望んでいます。もちろんこうしたイベントは、ご褒美のようなものです。

反対にこれがなければ、と思うのは、飛行機に長時間乗らなければならなかったり、家族から遠く離れてホテルで宿泊したりすることですね。でもこれも仕事のうちです。机に向かわなければならない事務の仕事や、契約の作成なんかも、あまり好きでないですね!

© 写真: GEWO